「相手をやっつける??」
親子で稽古に来られてる方がいる
とても知的で優しいお父さんと
とても聡明で頭の回転も速く、好奇心旺盛の娘さんである
お父さんは本来の武道の身体操作に興味があるようで
稽古でやる一つ一つの要素をキチンと取り組んで、楽しんで頂いている
娘さんのほうも一つ一つの要素の稽古を取り組むのだけども
ある願望を持っており
その願望を早く叶えたいという気持ちが強い
その願望というのが
「簡単に敵をやっつけたい!!」
というもの
正直な言葉でとても良いと思う
まだ子供だから「強い」という意味が
「誰にも負けない!!」や「相手を簡単にやっつける!!」という発想なんだろう
最初はそこからのスタートで良いと思う
僕も小さい子供の頃、悔しい思いをして
「誰にも負けないくらい強くなってやる!!」
と決心をし
剣道、柔道、空手、古武道と今に至るまで「強さ」を求めてきた
高校生の頃
空手で強くなり天狗になってた僕は
ところ構わず、「世直し」という大義名文を理由に
街のチンピラや暴走族のコらを「注意」というテイで喧嘩を売っていた
その当時「チーマー」という形式の愚連隊が流行っていて
僕も福岡の親不孝通りで「パラサイト」という名のチームに誘われ、そこで腕試しで喧嘩をしていた
そして、仲間を人質に取られての不意討ち以外
喧嘩では負けたことはなかった
しかし、「世直し」ということで喧嘩を売っているとは別に
その当時、なにもしていないのに絡まれることもあった
正直、心の準備をしてない時に喧嘩が始まると、ビビって怯えている自分がいた
一応なんとか腕力で相手を動けなくはするが、ビビって震えている自分が鬱陶しかった
それが嫌で常に、いつでも喧嘩を出来る精神状態を当時ずっとキープしていた
すると、いざ揉め事になってもいきなり喧嘩を始めることもできたけど
しょっちゅう、絡まれることも増えていった
そんな時、ある先輩と食事をしている会話で
「なんで俺、よく喧嘩売られるんスかね?」
と何気なく聞いてみた
するとその先輩は
「お前がそんなにギラギラしとるけん、そういう奴が寄ってくるんやろ」
と言われ
僕は素直にハッ!とした気持ちになり
自分を振り返った
オカンに
「高校生の時のアキヒロ、人殺しみたいな目付きやったもんね」
と言われるくらい痛いヤツだった
「相手をやっつけてやろう!!」という気持ちは
「類は友を呼ぶ」という言葉があるように
同じことを考えている人間が
自分を襲いにくるのだとも実感した
そんなこんなで、僕は日野先生に退治してもらい
本当の「強さ」の答えを見つけていった
本当の「強さ」とは
「相手と衝突せずひとつになる」
が結果、自分に襲いかかる相手を知らないうちにやっつけてる
先の娘さんも「相手をやっつけたい!」という思いが強いだろうが
いつか、その考えだと自分がやっつけられる日が必ず来る
でもそういう痛い体験があって、初めて本当の意味で学ぶことが出来る
そういった意味で間違った思考でとことん突き進むことも大事なことだよって話でした
武ノ風 BUNOKAZE
衰えない身体作りとしても学べる護身術教室です。
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