「早く成長するには?」
先日の稽古の時
生徒さんからの質問で
「どうすれば先生みたいに早く強くなれますか?」
と聞かれたので、改めて考えて綴ってみようと思う
武道をやっていて、成長する人と、なかなか成長しない人の差を考えてみた時、大きくいくつの理由が見える
日野先生もよく仰っていたことだが
なによりも大事なのは「素直」だと思う
「素直」とは何か?というと
先生に言われ事を理解できなくても良いから、言われたまま受けとり、言われたまま行動する「素直」
これが大方どうしてもできない
だいたいの人は「教えて貰ったことをやってる『つもり』」で
実は自分なりにやっている人がほとんどになる
当たり前だが
今まで、自分なりに生きてきて出来ないことを学びに来ているのだから、自分なりにやっても今までの自分と何も変わらず、成長する訳がない
よく稽古の時「分からない」と言葉を聞くことがある
これまた日野先生が言っていたことでもあるが
「レベルが1の人間がレベル100の人間の言葉が理解できる訳がない、自分がレベル100になった時にレベル100の人間の言葉が初めて理解できる」
になるし
「分からない」という言葉を使うと
脳が分かるものも分からなくしてしまうから
「『分からない』という言葉は使っちゃダメだよ」と教えてはいるが
これもまた、ほとんどの人が言う通りにしていない
僕が日野先生に教えて頂いていた頃
「自分に出来ないことを教えて貰っているんだから、日野先生の言っていることが理解できないけど、出来る人間が言ってるんだから、出来るまで黙ってひたすらやるしかない!!」
という気持ちで訳分からないまま、質問もせずひたすら胸骨操作をやったりしていた
そうすると、最初は「胸骨ってなに??どこ??」と暗中模索でひたすらやっていると
「胸骨ってこれか!!」と分かったと思ったら間違いで、また「これか!!」と思ったら間違いでを何年も繰り返すうちに
知らないうちにドンピシャの感覚を掴んでいった
またまた日野先生に教えて頂いたことだが
「上達のコツは分からないことを人に聞かないことやで」
ともご教授頂いた
そんな経験から生徒さんには
「間違いなら間違いをひたすらやっていれば、消去法で勝手に正解に辿りつきますよ」と教えてはいるが
なかなかこの言葉を受け取る生徒さんもいない(笑)
次に成長に大事なのは、やはり「稽古量」
これしかない
道場に週1~2時間の稽古でそんなに急成長する訳がない
楽しく成長するにはそれで良いと思う
だけど早く成長したいのであれば毎日自分で稽古するのは当然として
自分の生活にどれだけ稽古を取り入れるかで
1日24時間をどれだけ稽古として生活できるか?を考えるしかない
僕で言えば
歩く時、「胸骨を上げて歩く」であったり
人と話す時「ありがとうの稽古」のつもりで話したり
何もない時は頭を静かにして「正面向かい合い」をしたり
何かを触れる時、触れてる物を「感じる稽古」をしたり
色々やる
以前、ブログで書いた若い頃の武道仲間「天才 山本くん」に至っては
寝てる時まで正面向かい合いをやっていると言っており、「俺にはそこまでできん!!」と驚いたこともある
とにかく、早く上達したければ、生活自体をどれだけ稽古にできるかの「稽古量」になる
以前、関わっていた「日野理論研究会」という月一回の自主トレの集まりに参加していた時
みんな「日野武道を盛り上げるぞ!」と意気込みは素晴らしかった
だが毎月、毎月会うたびに「全然、進歩してないやん」と内心思っていた
ある時、主要メンバ―に
「皆さん、どれくらい稽古してるんですか?」と尋ねてみた
「こんなに熱く言ってんだから、毎日やってるとして、毎日何時間やってんだろ?」と当然に思って聞いたのだが
それぞれが
「週に2~3回ですかね」
「やれる時やってるんですが、できない時もありますよね」
など日野武道を広めると言っている割りに、少ない稽古量だった
それで
「なかなか出来るようにならないですよ」と言う
何も言う気にならなかった
あともう一つ「工夫という実験を楽しむ」
これが出来ればどんどん成長していく
「胸骨」でも「肘」でも「ありがとうの稽古」でも色んなとこで好き勝手試してみれば良い
色んなことに気付き
色んなヒントが拾えることもよくある
そんな感じで
「自分の頭で考えず素直にやる」
「生活をも稽古にする稽古量」
「好き勝手実験して楽しむ」
これを行動にできれば、イイ感じに成長できると思う
もう一つ忘れてた!!
あと大事なのが先生のデモンストレーションを本当によく「見る」ことが重要になる
これもみんな見ているようで、自分の見たいとこしか見ていないし
そもそも、見ていない人もいる
成長する訳ない
人には「ミラーニューロン」という能力があり、見たものを真似する能力が人間には備わっていると教えて頂いた
そして、その「ミラーニューロン」という能力を鍛えないといけないと日野先生は仰っていた
僕が日野先生の道場に通っている頃
言葉で稽古の説明を受けることはほとんど無かった
日野先生が動きを見せ「はいやれ!」とそれだけで
僕の頭は混乱の中、無我夢中で日野先生の動きや雰囲気を真似することに必死だった
分からないまま稽古を数年していると
知らない内にできていた
本当に自分がなぜ出来ていったのか分からない
うちの道場で言えば
僕がお手本を見せる時
どれだけ、全神経を使って「見る」ことができるのか?が
成長に必要な要素になる
そんなことを頭に置いて、行動できれば
勝手に「自分」が成長していく
武ノ風 BUNOKAZE
衰えない身体作りとしても学べる護身術教室です。
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