「往なすとは?」

先日は初心者の方も含めて稽古をした


「往なす」という事が解らないようだったので改めて、出来る限り解り易く説明できたらと思う


この「往なす」とても奥が深い


辞典を見ると「かるくかわす」となっているが、そうではない


例えば、ナイフを持っている人が自分を襲うとする

もちろん、そいつは「コイツを刺してやる!!」という強烈な意思を持ち、こちらに向かってくる


逃げるのもいいし、強大な力で捩じ伏せるでもいいのだが、

逃げる間も無く、捩じ伏せる力も無い時どうするのか?


襲ってくる相手には「よっしゃ!刺してやったぞ!」と思わせ、安心させといて

こちらは刺されず安全な状態でいる


そんな、お互いがWin-Winな状態になるのが「往なす」になる


その為に先ず必要なのが、相手と向かい合った瞬間の自分の精神的状態を作らなくてはいけない


自分を襲おうとしてる相手に

「どうぞ襲ってください」と、心を静かに相手と正面から向かい合い、相手に安心して襲わせる精神状態になる必要がある


そうすると、頭の中が静かになり、相手の意識や殺気を自動でキャッチ出来るようになる


ここで少しでも「うわ!どうしよ!」とか「コイツやっつけてやろう!」とか頭に浮かべると、それが頭の雑音になり、相手の殺意がキャッチできなくなる


そして、相手の殺意や意識をキャッチできた状態になれば、勝手に自分がビビったり、ビクッ!と反応してしまう


その反応してしまった自分を感じて、身を委ね、静かに付いていけば、相手を「往なす」になり、相手は勝手に崩れ、自分は安全な状態になぜかなっている


注意点は

「ちゃんと目を見続ける」

「相手をやっつけようと思わない」

「相手を避けようと思わない」

「重心は前」

「静かにフワッと動く」

「最初から最後まで静かに相手を感じる」



イメージでいうと

よそ様の道場でよく見る、受けや払い、スウェーなんかの、相手の攻撃を止めるや避ける感じとは違い


電車と電車がすれ違う様な、心地よくスライドをする感じになる


武道的にはナイフで襲われると言ったが

社会においても、誰かと口論になった時、相手を論破するのではなく

相手の意見を認め受け入れ

相手と衝突しないように、相手を気持ち良くフワッと自分の都合の良い方向に話しを持っていくが「往なす」になる


そんなことから武道の言葉で

「居着くは死、居付かざるは生」

「白、黒ハッキリさせない」

があるように

自分の思いや考えに居着かない、臨機応変に変化出来る自分を作るのが「武道」の稽古の目的でもある






武ノ風 BUNOKAZE

衰えない身体作りとしても学べる護身術教室です。

0コメント

  • 1000 / 1000